
2015年07月14日
たのはお前が悪い

という言葉には、「言葉の裏への読みが外れたのは認めるが、私がそう思ったのはお前が悪い!」
という意図があると思う。まあいい。(本当はよくはないが)自分の読みが外れたことを認めているだけましである。
しかし、
「嘘つけ!」「ごまかすな!」「口答えするな!」
という言葉には、「自分の読みが絶対に正しいに決まっているのだから逆らうな!」という意図が読み取れる。
これは要するに、
「お前が今何を考えているかは俺の方がよく知っている」
という、常軌を逸した発想がある。
そんなことあるはずがない。
人の考えていることなど分かろうはずがない。頭をぱかっと開けて脳を見ることなど、特別な手術をしなければできないのだから。いや、開けたところで分かるはずもない。
つまり、「今自分が何を考えているか」を知っているのはその人自身しかいないのである。
俺が今何を考えているか。
それについて世界で一番詳しいのは俺であり、それを知っている唯一の存在である。
いわば、世界のどんな博士も国家元首も量子コンピュータで動く人工知能さえ「俺が今何を考えているか」という点において、俺には及ぶべくもないのである。
しかし・・・
俺の親を始めとする多くの人々が決してそんなこと考えもしない。ただひたすらこう考えている。
「私の考えの方が正しい」
一体生意気なのはどちらか。
どうも多くの人間が
「わたしの方が年上だから」
「俺の方が賢いから」
「自分の方が偉いから」
と思っているようだ。
だが、何度も言うが、たとえ俺がどれほど年下で、どれほど愚かで、どれほど卑しくても、「俺が今何を考えているか」については、他の追随を許すことはない。